新しく事業を始める際、まず大きな壁にぶち当たることになるそのひとつに資金調達があります。誰もが大金を持って事業を始められるというわけではありません。
では、融資・出資・投資の違いは何でしょうか?意外と難しい質問ですよね。
そこで今回は投資や出資、融資について、それぞれの違いを解説していきます。ぜひ参考にしてください。
融資・出資・投資の違い

ここでは融資・出資・投資の違いをご紹介していきます。
融資=返済を前提とした事業のためのお金
融資とは、銀行や信用金庫などの金融機関が申込者に対しお金を貸す行為であり、必ず借りたお金を返済するということを約束した上で、事業を始める際に利用するお金です。その融資は、利息が上乗せになった状態で返済を行っていくことになります。
しかし、融資で返済を行う際は0.3〜3%の低金利となるため、おすすめは銀行などの金融機関から借りることが望ましいと言えます。しかし、まだ事業を始めたばかりの時期は、実績が伴わないことから、銀行への信頼度が低く、融資が実現しないこともあるということを理解しておかなければなりません。
出資=返済を前提としない事業のためのお金
出資とは、投資家によって資金援助が行われ、返済を前提としない分、借金の位置付けとは異なる資金のことを指します。また、これはとても安定した資金を得ることができるとして事業展開を行う事業主が行うケースが多い方法として知られています。
出資を行った投資家は、企業利益が見込まれ、実際に実現した時に各投資家に対し、配当金が分配され受け取れる権利を有します。また、その企業の株主総会へ出席する権利を持ちます。
投資=リターンを期待した資産運用のためのお金
投資とは、企業に対し資金援助を行うことで、遠い未来へ向けリターンを期待した資産運用を行うことを指します。投資は融資と同様に、将来の企業利益に向かい金融機関から借りるお金であること、また、投資も同じく資産運用を行うことで利益を得るような、利益目的で行う資金援助です。
融資・出資・投資ののメリット・デメリット

ここでは融資・出資・投資のメリット・デメリットをご紹介していきます。
融資のメリット・デメリット
融資のメリットは、銀行などの資金力の高い金融機関が行うため、事業に対して大きな投資を行うことができる分、効率よく事業成長をはかることができる点です。
一方で、利息が上乗せされた分を返済することになるため、確実に返済可能な時に全額一括返済を行うと利息分を少しでも減らすことができるでしょう。また、融資は信用のもとお金を貸すことになるため、その分審査が非常に厳しいというデメリットを感じることもあります。
出資のメリット・デメリット
出資のメリットは、株式を購入する分返済義務がない点です。そのため、事業のために多額の負債を負うという不安なく出資することができます。また、会社が将来に渡り成長していく手助けにもなるなど、様々な支援を受けられることが魅力的だと言えます。
一方で、デメリットに感じることは、企業の業績がアップするとその分コストがかかり、投資家に対しての配当金に多額のコストを掛けなければならなくなります。その結果、融資以上にコストがかかるため注意が必要です。
投資のメリット・デメリット
投資を行うメリットは、投資を行った株式の価格がアップすると、その際に株式の売却を行えば、売却益を得ることができる点です。また、配当金を受け取ることができる、さらに株主優待などのメリットを受けることができるため投資はおすすめです。
また、インフレにも強く、損が少ない投資を狙うと良いでしょう。一方で、株式の値下がりにより、大きく資産が変動してしまう恐れもあるため、デメリットを感じる方も少なくありません。
融資・出資・投資は目的が異なる

融資と出資、投資の目的について解説しました。融資は返済を前提としているお金であり、出資は返済を前提としない事業のためのお金、また、投資は資産運用で利益を得るためのお金であるなど、それぞれの目的は異なると言えます。これから事業展開の予定のある方は、融資と出資、投資の違いに着目して、無理のない資金調達の方法を見出していきましょう。