日本は憲法で納税の義務が謳われており、どんな商売や取引であろうと所得があった場合は、必ず税金を納めなければなりません。当然、投資も同様であり、利益が出た場合は「雑所得」として所得税を納めることになります。
ちなみに、所得の種類は給与所得や事業所得など10種類。雑所得というのは、他の9種類に属さないものをまとめて雑所得とされています。
本記事では、投資で得た利益は課税対象になるのか?というテーマで解説します。ぜひ参考にしてください。
申告分離課税
投資の所得は申告分離課税です。従って、投資で得た所得が年間20万円以上になった場合は、「雑所得」として確定申告をしなければなりません。20万円以下であれば、申告の必要はありません。税率は所得の金額に関わらず一律20.315%です(所得税が15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)。
必要経費
所得というのは、収入から収入を得るために支払った費用を差引いたものです。従って、投資の取引にかかった費用は収入から差引くことができます。例えば、投資のセミナーへの参加費用やその交通費、投資の知識を得るための参考書代やメールマガジンの購読料、業者に支払った取引手数料や振込手数料などは必要経費として認められます。領収書や支払記録は必ず保管しておくことが肝心です。
損益通算と繰越控除

申告分離課税には損益通算と繰越控除という制度があります。ただし、損益通算や繰越控除を受けるためには確定申告をしてあることが条件です。
1.損益通算
投資で損失が出た際に、他にFXやCFD取引(差金決済)などの「先物取引に係る雑所得等」があった場合は、損益通算ができます。例えば、投資で50万円の損失が出た場合、FXで60万円の利益があっても、差引き10万円の利益しかないため、税金を納める必要がありません。
2.繰越控除
損益通算しても損失が埋められない場合は、最大で3年間その損失を繰越すことができます。例えば、2018年に投資で50万円の所得があったとしても、前年の2017年に80万円の損失があった場合、損益通算しても-30万円です。その損失の30万円を2019年の利益から控除できるというのが、繰越控除です。
まとめ
投資は儲かる時もあれば損する時もあります。その際に税制面での優遇を受けるためにも、確定申告がが必須と言えます。なお、投資で損益通算や繰越控除ができるのは、「先物取引に係る雑所得等」です。株式や投資信託は「株式等に係る譲渡所得等」であるため、株式との損益通算や繰越控除はできません。